羅針盤

2015年04月12日掲載
故尾崎一法氏を偲んで

4月10日(金)と11日(土)に、私のプライベート・エクイティの師匠であり、我がアーク東短オルタナティブを5年前に創業の最大のサポートをしてくださったアークの生みの親である、尾崎一法氏のお通夜と葬儀の立ち会ってまいりました。本当に多くの参列者が来て、多くの方が涙を流し、その早すぎる生き方を思い返していました。

我が国で初めてバイアウト案件を手掛け、我が国のプライベートエクイティの基礎を作った人物であるといっても過言ではないでしょう。現在の日本の、アジアのプライベートエクイティを取り巻く関係者は、多かれ少なかれ影響を受けてビジネスを成長させてきました。「私のファンドを立ち上げたときに支援してくれたのは尾崎さんだ」、「自分に声をかけてくれた言葉は忘れられない」といったご意見ばかりこの2日間聞きました。そんな尾崎門下生が日本のPE業界には多くいることを改めて認識ました。

我がアーク東短オルタナティブは、尾崎さんが7年ほど前に「もう一度人生を繰り返すことができるならプレースメントエージェントをやりたかった」という言葉から始まったのです。その意味で、私はいつも「尾崎さんだったらどう判断しているのか?」と自問し、本当に迷ったら、丸の内のアント・キャピタルのオフィスに尾崎さんの好きな大福餅を持参してご意見を賜ったものです。その時の尾崎さんの答えはいつも決まっていました。「棚橋君なら、アークなら、成功することはきまっているのだから、やればいいじゃないか。まず10年やってから考えなよ」と、尾崎さんのいつもの笑顔で送り出されます。不思議と悩みが解消され、帰りの東京駅の地下を歩いている時に、迷っていたことへの答えが湧いてくる、勇気が湧いてきたのです。おそらく私のような指導を受けてご活躍されている方々が多くいらっしゃると推察します。

葬儀の際に、帯広市長の米沢則寿さんの弔辞の中で、グッとくる言葉をいただきました。米沢さんは尾崎さんがお亡くなりになる数日前に病院のベットの脇で、語られた言葉、「リスクを取るときには80%の確立で成功するんだよね。だって、局面が変わるときだからさ」と。尾崎さんの生き方そのものだと思います。死を迎える数日前にその言葉を米沢さんにかたられた尾崎さんは、本当にすごい。死ぬ直前までディールをやってらした。尾崎さんが生きたこの65年間、PE業界を盛り上げて、多くの門下生を世に出した功績は空前絶後でしょう。尾崎さんに直接指導をしていただけた幸運に感謝し、尾崎さんにいただいたものを大切に育んで日本のPE業界に今後貢献していくことを決意いたしました。

尾崎さん、ご冥福をおいのりいたします。天国から門下生一同を見守ってください。絶対に、尾崎さんの描いたすごいPE業界を作り上げますね。

棚橋俊介

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